アフリカや中南米には、毒矢で狩りをし、毒殺した動物を食べる種族がいます。そのとき毒殺した動物を食べて、その毒にやられることはないのでしょうか。
この疑問を解くカギは、毒が体内に入るプロセスにあります。動物に刺さった毒矢の毒は、直接動物の血液に入ると、体内を流れ、脳に入りこんで神経をおかす性質のものです。直接、脳と中枢神経に作用するため、ケイレンや呼吸困難を起こすのです。
ところが、人がその動物を食べても、毒の成分は口から入ってきます。これは、まず胃で分解されます。残りの毒も、十二指腸、腸を通るときに分解され、最終関門の肝臓でも解毒が行われます。つまり、血液に吸収される前に体内で毒は分解され、体には影響が出ないのです。
毒矢で狩りをする人たちも、そのあたりのことを経験的に知っているのです。
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