勝敗がコロコロ変わった世紀のバレーボール戦

1992年のバルセロナ五輪、2日目。男子バレーボール予選リーグで、日本チームはいきなり優勝候補のアメリカチームと対戦しました。
どちらも初戦、ここで勝って波に乗りたいとあって、追いつ追われつの大接戦。結局、フルセットの末、アメリカが勝利をおさめました。
だが、ほんとうはこの試合、日本が勝っていたのです。問題の場面は、セットカウント2対1でリードしていた第4セット。14対13と日本がマッチポイントを握ったとき、アメリカのサムエルソン選手が審判のジャッジに抗議。審判から、「イエローカード」をだされました。
しかし、同選手はこの試合2度目の注意となるため、バレーボールのルールによると「レッドカード」でなくてはならず、サーブ権のある日本に1点が加点されなくてはなりません。つまり、この時点で、15対13、セットカウント3対1で日本の勝ちとなるハズだったのです。
ところが、主審はなにをカンちがいしたのか、試合を続行。気落ちした日本はそのセットもつぎのセットもアメリカにとられ、逆転負けを喫っしたのです。
これではおさまらない日本チームは、国際バレーボール連盟に提訴し、翌日裁定委員会が開かれました。すると主審は自分の非を認め、その場で日本の逆転勝利が決定したのです。
たとえ審判の不手際があったとしても、勝敗がくつがえることはごくまれなケース。当然の勝ちとはいえ、一度くやしさを味わったぶん、この勝ち方のほうが何倍もうれしかった?!

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