おじいさんが山へ柴刈りにいっているあいだ、川へ洗濯にいったおばあさんがみつけたのが、ドンブラコと流れてくる大きな桃。家に持ち帰り、さっそく割ってみると誕生したのが桃太郎なのは、たいていの日本人が知っています。
問題は、残された桃の処置です。食べてしまったのでしょうか、それとも捨ててしまったのか、あるいは桃太郎の「胎盤」として大切に保存したのでしょうか。
日本には、たくさんの「桃太郎伝説」があり、桃太郎を祀る神社も十数カ所ありますが、そのなかで、桃太郎が生まれた桃の「その後」についてフォローしているものはほとんどありません。
例外は、近くに桃を埋めた「桃塚」があるという神社。この場合、おじいさんとおばあさんは、桃を食べてしまわなかったということになりますが、なかに男の子が入っているほど大きな桃。案外、食べようとしても、食べきれずに埋めたというのが真相かもしれません。
ちなみに、なぜ桃なのか、という問題について一言いっておくと、桃は中国では不老長寿の薬で、魔除けにもなるとされていました。この「桃信仰」が日本に伝わったものと思われます。
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